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外貌醜状(しゅうじょう)と逸失利益・慰謝料

外貌醜状の後遺障害等級は男女平等

かつての後遺障害等級表では,外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)の後遺障害等級について男女間に格差(同じ外貌醜状でも男性の方が女性より等級が低い)がありました。

しかし,平成22年の京都地裁の判決がこれを憲法14条違反だと判断したのを契機に見直されました。

現在は,男女とも,以下の等級となっています。

  1. 7級12号:「外貌に著しい醜状を残すもの」
  2. 9級16号:「外貌に相当程度の醜状を残すもの」
  3. 12級14号:「外貌に醜状を残すもの」

以前は,男性は,1.が12級,2.が14級でしたので,これが女性と同等まで引き上げられた格好です。

損害賠償額への影響は?

このことは,損害賠償額に影響があるでしょうか。

まず,逸失利益については,等級が上がると一般に労働能力喪失率が上がりますし,喪失期間も就労可能年数一杯まで認められやすくなるので,増額要素と言えます。

※後遺症逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×喪失年数(ライプニッツ係数)

ただし,外貌醜状の場合,労働能力は喪失しないとして逸失利益が否定されることがありますので,そうなれば増額要素とはなり得ません。

外貌醜状により逸失利益が認められるケース

もっとも,モデルなどのように外貌が重要な仕事では逸失利益が当然認められますし,それ以外の仕事も,多かれ少なかれ,他人との接触を避けられないのであり,外貌醜状が将来の昇進,昇給や転職の可能性に影響を与えるとして,逸失利益が認められるケースは少なくありません。

次に,慰謝料についても,等級が上がると通常は慰謝料額も上がりますので,増額要素と言えます。

なお,外貌醜状の場合は,前述のように,逸失利益が否定されたり,少なめに認定されたりすることがありますので,そのような場合は,慰謝料を一定程度増額してバランスを取る,という解決が図られることもあります。 

慰謝料は男女で異なる?

ところで,後遺障害等級表における外貌醜状の等級が男女平等になったからといって,賠償額も男女で同じになるというわけではありません

逸失利益は,仕事に与える影響によって決まりますので,醜状の具体的状況,年齢,職種,職務内容などと並んで,性別も考慮要素となり得るのであり,結果的に男女で賠償額が異なることはあり得ます。

これと比べると,慰謝料は性別を理由に異なる金額を認定する理由は乏しいと思いますが,まったく影響しないとは言い切れない気がします。

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